【ブラック企業一斉退職編(1)】15年勤めた会社でクーデターが発生!社員が60名→10数名に?

こんにちは、MFT(@LW_MFT)です。

 

私は以前、地方のIT企業へ就職していました。

 

そこでまさかの、社員40人が一斉退職するという、ドラマでもほとんど起こらないようなクーデターを経験しました。

クーデター、そう、革命が起こったのです。

 

IT企業って、現代の3K職業(キツイ、汚い、危険)とよく言われますが、確かにその通りで、

本当に離職率は高かったです。

クーデターが起こった会社の社員番号は600番を超えていましたが、クーデター間際の社員数は60人弱…

会社ができてから550人以上退職したことになります。

入社した社員の9割が辞めるってどういうことでしょうね…

今は定年まで勤め上げることの方が稀かもしれませんが、ここでは明らかに会社に失望して辞めていく人ばかり。

 

それでも、この会社はなんと地元IT企業では売上第2位

しかも自己資本比率60%を超える無借金経営の超優良企業でした。

 

やっぱり、実際に入社してみないと中身ってわからないものですね。。

 

今回、このクーデターの顛末を書き起こしてみようと思ったきっかけは、このブラック企業に何人もの優秀な若い人が入社しては辞めていくところを目の当たりにしたからです。

入社前にどんな会社か見抜くことは難しいかもしれませんが、会社を選ぶ上で参考になれば幸いです(ならないか…)。

 

これからお送りする内容は全て実話です。

 

 

「パッケージ開発グループの40名、一斉退職するってよ!?」

2014年春。いつものように早朝6時頃出社して、コリコリ見積書を作成していました。

いつも通り、7時30分くらいに部長が出社し、8時前にチーフが出社。

幹部は毎週月曜日は8時から早朝ミーティングがあります。

朝っぱらからテープを聞かされたりとモチベーションの下がる会議のようです。

 

出社してきたチーフの顔色が悪い。

低い声で私を呼ぶと、少し離れた会議室へ。

そこで聞かされた話に耳を疑いました。

 

 

「パッケージ開発グループが一斉に退職するかもしれない…」

 

 

私が勤めていた会社は全社員60名の地方中小企業でした。

IT関連企業で全国的に有名なパッケージソフトを開発しています。

中小企業としては優良企業で、会社の評点も県内第2位。結構すごい会社です。

パッケージ開発グループには40名ほど在籍していて、会社の基盤、主力事業です。

ちなみに、私は7名ほどの医療システムグループに所属していました。万年予算スレスレのお荷物グループだったようで…

 

チーフの話、最初は悪い冗談だと思いました。

パッケージ開発グループのメンバーが全員辞めたら会社は立ち行かなくなります。間違いなく会社は傾きます。

 

なんでそんなことになったのか、その時は全く理解できませんでした。

ただ、チーフの話を聞いていくと、少しずつ全容がわかってきました。

 

 

何年も前から愛想を尽かされていた社長

ウチの社長、実は何年も前から社員に見放されていました

嫌われていることはさすがに私もよく知っていました。

一般的に、好かれる社長というのは少ないかもしれません。利害関係の違う社員に、経営者の悩みは理解できないのか…

ただ、そういった次元の話ではなく、とにかくウチの社長は強烈に嫌われていたようです。

 

愚痴みたいに悪口を言うのは嫌ですが、今思い返してもフォローしようがない部分なので、包み隠さず「社長が嫌われていた理由」をぶちまけたいと思います。

 

 

社長が嫌われていた理由

理由もないのに社長というだけで嫌われることはありません。

 

2代目社長だったのですが、とにかく自分で物事を決めません

にもかかわらず、社員のアイデアには反対を貫く

 

そのため、新しい企画はまず通りません。

 

実績が出ていないものはやらない。完璧なまでの無冒険主義

ただ、実績が出た事業は、あたかも自分が始めたかのような言い回し。

「パッケージソフト事業!? そんなやったことない事業で儲かる確約はあるの? 何かあったら誰が責任をとるの?」

という反応だったのが、実績が出てくると、

「うちの主力事業はパッケージソフトでしょう!! 以前から私はそう言っています。 もっと先見性をもって思い切りらないと!! みんな若いんだから!」

 

これはガチの会話です。

 

また、社員からは真性のドケチだと思われていました。

 

社長は稟議書が上がってきたら、内容を確認せずにとりあえず否決するとのこと。なんだそれ!?

もう一度稟議書を提出して初めて検討し始めます。

一度試したことがありますが、1回目と内容を全く変えずに提出しても、2回目から検討してもらえました。…完全に時間のムダ。。

 

社長と昼食にいくと、やたら安いうどん屋に行きたがります。高そうなランチのお店は露骨に嫌な顔をする。

400円くらいのうどんでドヤ顔されても… ごちそうされてて偉そうなことは言えませんが、個別会計の方がいい…

 

小さいお金に対して、異常な執着心がありました。

「1円単位のお金も大切にする」清き社長、という印象など全くありません。

単なるみみっちいおじいさんという印象しかない時点で、社長の戦略(なんの?)は失敗ではないでしょうか。

 

経営会議で説明した内容を「よくわからないから、もっと資料を出して。」とのこと。

で、追加の資料を出しても、それに対して特に何の回答もなし。いつの間にか議論が終わている…

 

とにかく、言っていることがコロコロ変わる。さっき会議で話して決まったことが、翌日には全く別の話になっていたり。

このちゃぶ台返しが社長の必殺技だったことを、あとで血が出るほど思い知らされることになるのですが…

 

 

ラチが明かないので、仲介役が入るのですが…

…こんな感じの社長なので、当然ながら、思い切り嫌われてしまっていたようです。

 

以前からパッケージ開発グループと社長は火花を散らしていたようです。

数年前、いよいよ社長とグループの折り合いがつかなくなったとき、社長の弟さんが間に入ることが決定しました。

弟さんを専務として迎え入れることで、社長と社員の間を円滑にしようとしたんです。

これでパッケージ開発グループは大嫌いな社長と直接話す必要がなくなったので万々歳! と思ったのもつかの間、

 

弟さんリタイヤします。

1年くらいで弟さん、サジを投げてしまいました。

 

間に挟まれて頭がおかしくなりそうだったようです。。

 

 

 

最強の仲介役現る!! 社長の大先輩登場!

社長とパッケージ開発グループの仲は悪化の一途を辿り、崩壊寸前の状態でした。

当時は全く気がつきませんでしたが、コンサルタントが何人も入れ替わって研修をしたり、つけ焼き刃に「社員を大切にする会社」というスローガンを掲げたりしていたのは、社長なりになんとかしようと画策していたんだと思われます。

そういえば、急に上海へ社員旅行へいくことになったりもしたなぁ…

 

残念ながら、どれもあまり効果はなかったようです。

 

そこで、いよいよ追い詰められた社長は最後の大勝負に出ました。

 

御年80歳の社長の大先輩社長へ相談し、仲介役を懇願します。

社長がペーペーの時に、帝王学を指南した方のようで、社長が唯一頭の上がらない方です。

 

大先輩社長、さすがに動きが早かった。

依頼を受けた翌日、早速、社長室にパッケージ開発グループの幹部を集めました。

そこで、「お前ら、社長方針に従わないとは何事だ!!」と叱責します。

この段階では、「社長&大先輩社長 VS パッケージ開発グループ」の構図ができあがりました。

 

大先輩社長は、さすが人生経験が豊富で、何より男気がありました。

社長と大先輩社長は、真逆の性格のようです。

その男気は、パッケージ開発グループ長とも通じるものがあり、大先輩社長とグループ長は、腹を割って話し合いを重ねました。

 

大先輩社長は、社長の代わりに新しく社長になるところまで話が進んでいたようです。

 

 

 

大先輩社長へ警察署の名前入りで警告文を突きつけた社長

互いが本音を交わす中で、少し風向きが変わってきます。

大先輩社長「確かにグループ長の言い分もわかるな。」となってきます。

 

次第に、大先輩社長から社長へ意見することが多くなってきました。

大先輩社長としては、あくまで中立の立場に立っています。

一方的に社長の味方をするだけではなく、パッケージ開発グループの言い分で理解できるところは理解しようとつとめていました。

当然の行動です。中立の立場に立っているのですから。

 

しかし、社長にとっては面白くなかったようです。どうも雲行きが怪しい…

社長は疑い出すと止まらなくなります。

「大先輩社長は、もしかすると社員側へ寝返ってしまったのではないか。」

「グループと結託して、私の地位を脅かすつもりでは…。」

 

いてもたってもいられなくなった社長は、大先輩社長へ仲介役の解任を要請します。

自ら懇願しておきながら、舌の根も乾かぬうちに解任要請…

 

でも、大先輩社長は一旦引き受けたからには、簡単に「はい、そうですか。」と引き下がるわけにはいきません。

グループ長との約束もある。会社を立て直す責任がある。

大先輩社長は、社長の解任要請を無視し、具体的に会社立て直しの施策を打っていました。

 

社員のモチベーションをアップさせるため、積極的に社員へ役職を与えます

私もこの施策で医療システムグループの課長になりました。

 

また、期の初めに立てた目標を達成し、利益が出ていたため年末賞与を出します。

入社以来、年末賞与なんてもらったことがなかったので、これにはかなり驚きました。

 

しかし、これらの取り組みは社長には面白くなかったようです。

「再三の解任要請を無視し、大先輩社長は好き勝手やっている。大先輩社長のもとで社員の士気はあがり、私の立場はどんどんなくなっていくではないか…」

 

ついに、社長は大先輩社長へ警察署の名前入り警告書を突きつけます。

「社員でもない人間が、勝手なことをして会社に損害を与えている。即刻出ていきなさい!」といった内容。

 

当然、大先輩社長は大激怒!

「どうするかは自分で決める。警察でもなんでも連れて来い!」

 

 

株主総会で得意のちゃぶ台返し「社長は私です」

そんな裏事情を知ったのは少し後でした。

私は6月の全体朝礼で、大先輩社長が新しい社長になるものだと本気で思いこんでいました。

 

毎年5月末に行われる株主総会で、いよいよ社長交代です。

大先輩社長が来てから、期末賞与をもらい、役職もつき、社風も明るくなってきた。

来期は商談中のお客様で大きな受注が見込めそう…

 

いつになくやる気になっていた私。会社も変わってきたなと。

 

6月の全体朝礼で、社長が開口一番、

 

「来期の代表取締役社長も私がつとめます。先日の株主総会で正式に決まりました。皆さんよろしくお願いします。」

 

これには、社長以外の社員全員が度肝を抜かれました。

朝礼は一段と静まり返ります。

社長あいさつ後の、各グループからの報告も上の空でした。

「あれ、話がちがう…」私もかなり混乱して仕事が手につきませんでした。

 

 

そして翌週の朝、冒頭のチーフの話「パッケージ開発グループのメンバー40名が全員辞める」につながっていきます。

 

事態はかなり深刻で、パッケージ開発グループのメンバーは8月末をもって全員退職すると言っているようでした。

 

にわかには信じがたい事態です。ドラマでもあまり観たことがありません。40名一斉退職だなんて…

 

私は頭が混乱して仕事が全然手につかなくなりました。これはどうしたものか。

パッケージ開発グループ全員が退職した場合の影響力は計り知れない。会社は間違いなく傾くよな…

 

 

翌日の朝礼で社長が医療システムグループへ説明に来るらしい。

ようやく、社長本人の口から事態の説明があるようだ。

 

と思っていたら、そこでも度肝を抜かれました。

 

次号

【ブラック企業退職編(2)】怒り爆発!社長との戦いがはじまる へつづく